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2025/04/19

DUCATI MHR bevel hed OH(V側の分解掃除)

 DUCATI MHR

<素人整備>

(V側ヘッドの分解清掃)

初めてのオーバーホールを振返る。

どうにか終了したのは、多くのネット記事のおかげでした。
多くのベベルオーナー様に感謝いたします。

V側ヘッドを外す準備

・マフラー、キャブを外す
・タコメーターケーブルを外す
・リアアクスルシャフトを抜く
・左右のカバーを外す


車体を前・後スタンドで支える。



エンジンを下ろす(正確には前側に倒す)と、ドライブチェーンが
前側に引っ張られてしまうので、リアのアクスルシャフトを抜いておく



左右(クラッチ、ジェネレータ)カバーを外しておく



エンジンマウントボルトナット(3本)をゆるめてから
オイルパンにジャッキを当て、ボルトの負荷を抜いて
後ろ側の下(1本)を残してボルト(2本)を抜く


ジャッキを下げていくと、エンジンは前側に倒れる
カバーを外さないと、ピックアップのハーネスが千切れてしまう。


右のジェネレーター側は、ギリセーフ?で下ろしてしまったが
復帰する際に、フレームと若干擦れてしまったので、外す方が賢明だと
また、ジャッキの支点が前側に移っていくので外れないように注意


カバーを開ければ当然オイルが垂れる


ベベルのポンチマークを合わせる(確認)


V側

O側

V側を合せれば、当然O側も合っている。
組み付ける時は、クランクを回してO側を合わせ
V側ヘッドのポンチマークを合わせて組めば良い。

当たり前の事だけど、私のように理解していないと戸惑うことになる。


ベベルヘッドを外す

O側に比べればスペースがあるので作業はやり易い



ヘッドは、垂直方向なので抜きやすかった


4本中の1本がスタットボルトが供回りをして焦ったが
私の場合、スタットボルト後と抜いて
後からナットを外した。

ベベルヘッドの組み付け

クランクを回してO側のポンチマークを合わせたのち
V側ヘッドを組み付け、規定トルクで締め付ける




終わってみれば

ベベルヘッドのオーバーホールと大袈裟なことを書いたが
シム調整など無しの分解清掃

正しい手順と工具、そして時間があれば
素人でもできた。


今シーズンもいつもの場所に来られたことに

感謝!



今シーズンも北海道を走ります。


では、また









2025/04/16

DUCATI MHR bevel hed OH(O側の分解掃除)

 DUCATI MHR

<素人整備>

(O側ヘッドの分解清掃)

初めてのオーバーホールを振返る。

どうにか終了したのは、多くのネット記事のおかげでした。
多くのベベルオーナー様に感謝いたします。

始まりは、オイル下がり

 我がMHRを所有して40年以上が経過(10年くらいは眠っていた時間はあるが)、12年前北海道に上陸させて、当初はトラブルの連続だったがここのところ4、5年は落ち着いてロングツーリングも楽しめるようになっていた。
 昨年に、初めてのカバーを外しての整備(クラッチプレート交換)した成功体験を機に、以前から気になっていた、Oバンクの白煙を見逃せない状態を修理しようと決めた。
 これまでエンジンその物に手をつけたことがなかった、ヘッドのカムカバーさえ開けたことの無い未開の領域だった。
 先ずは白煙の原因の解明として、SNSでご縁のベベルオーナーさんや、オーナーズクラブの皆さんのアドバイスにアドバイスを頂き、白煙の原因はオイル下がりが可能性大でバルブシール交換が必要とのことであった。



初めの一歩

 初めての領域が故に、作業は最小にしたかった。
 OバンクのEXバルブステムシールのみの交換であればカムカバーを開けて作業は済むとのことだったので、これなら自分でもできそうと作業を決心した。思い返せば、初めの一歩は、沼への一歩だった。
 





オイル下がり修理

OバンクEXバルブステムシール交換

LEVEL1


 エンジンを下さずに出来るが、作業位置がかなり低いのでバイクリフトなんか無い我が家のガレージでは寝そべっての作業となる。
 

カムカバーを外します。勿論、初めて開けます。


何やら、シムワッシャが落ちてきました。
ロッカーアームを外していないのでこの時点で出てくるはずがないのに?


実物のベベルのロッカーアームを初めて見ました。


カムホルダーを外します。


どんどん外した部品が増えていきます。
ダンボールの小箱は重宝します。



次にロッカーシャフトを抜かなければならないけど
専用工具(SST)なんか持っていない。
昔、仕事でプレス金型屋にいた時は、ノックピン抜き工具があったのになぁ



思案した挙句、ボルトとワッシャーを組み合わせて地道に抜くことに



ロッカーシャフトを抜くと、アームとシムワッシャが落ちてきます


ロッカーアームとシム
カバーを開けた時に落ちてきたのはやっぱりシムだ
でも、ここのじゃないみたいだね〜


オープニングカムのシムを外します


クロージングシムを外すには、
アームを押し下げハーフリングを外さなければならい


専用工具はなかったので、針金ハンガーで作った自作SST


ハーフリングがめちゃくちゃ小さいので紛失注意
(ぽろっと落として捜索することしばしば)


ステムシールは、初期型?でヘロヘロ



ここで、ステムシールを取り付ければOK


EXバルブをピストン方向に押し込みシールを取り付けます
バルブは重力で落ちてくるしかないので、しばらく凹んだままで焦った


INバルブ側は、上側にあるのでシリンダー内に落ちてしまうので、
交換する時はヘッドを外さないとできない。(Vバンクも同じく)



後にオクでゲットしたSSTだが、使いにくかったので処分した
自作の針金ハンガーSSTの方が使いやすかった。
クロージングアームを取り付ける時は必要かも


これも後に、オクでゲットしたもの
カラー(パイプ)が欠品していたので作成
セット出品で2個あったので、1個を処分した
使いやすさは別としてあったほうがいい


EXステムシール交換結果は

成果を確認するためと修理完了を祝して


ねぎみそチャーシューを食べ


いつもの道の駅


途中全く症状はなかったのに、
帰宅して車庫前でアイドリングしていると白煙
カムカバーを開けてシールを確認しても大丈夫そう
結局、シールの状態を見ようとピックツールでいじっていたら
シールを傷つけてしまい、もう一度交換作業をする羽目になった。

後日、約300キロのツーリングでは、白煙症状は有り

EX側だけでは無くIN側のステムシールも交換しないとダメか〜><




シリンダーヘッド分解

ステムシール交換

 つい先日まで、カムカバーも開けたことのないど素人が(40年以上も所有しているのに)ベベルのヘッドを外すのは勇気がいった。
 勿論ショップにお願いすることも考え一時はお願いしたが、費用対効果を考え自らやることを決めた。
 ヘッドのオーバーホール費用は、引き取り納車を含めて30万弱ということでしたが、開けてみないと分からない、実際にピックアップハーネスの断線、キャブのOH(Oリング、アイドルスクリュー交換)などをやることになった。他ヘッドのカーボン除去、バルブの摺り合わせ、キャブのセッティングなどなど、ショップのプライドとしてベストな状態を求め不具合のまま納車はないだろうし、こちらも求められれば、人質となっているので断るのは難しいだろう。
 

ハイリスク・ハイリターン

 要は、お金はないけど調子を取り戻したい。では、どうすればいいか?
 プロには、特に専門店は、これまでの経験実績があり必要な専用工具を備えている。単品での交換部品も在庫しているだろう。これらを、素人が揃えるとなると、それなりの費用と時間を要するが、幸いなことに、爺さんは時間だけは何とかなる。
 ネットが普及した時代、部品調達、整備手順などは、ネットを通じて出来るが、素人の技術と自前の工具でやることになる。途中で投げ出してショップに依頼(受けてくれればの話)すれば、当初の予算以上の請求になるだろう。
 ステムシールだけの部品代3千円程度で済んでしまうが、そんなに甘くない。
 素人ができてしまうのであれば、専門ショップなんて存在しないだろう。
 

ヘッドを外す準備

 下準備として、作業スペースを確保のために前後にスタンドを掛けてO側のエキパイを外す。
V側であれば、オイル交換の度に簡単に外しているが、O側は、コンチを外してH管のクランプを緩めないと外れない。
 キャブレターを外し、ヘッドに残っているオイルが垂れてくるので受け皿を準備したい。

O・Vの両ベベルギアのポンチマーク

カバーを外して、キックでクランキングして
V側のベベルギアのポンチマークを合わせる


O側のカバーも外してポンチマークを確認する
(合っていなければならない)



結合する時は、この状態をを再現して結合する
(O・Vのヘッドを一辺に外してしまうと
ミッション側のポンチマークを確認しなければならなくなる)

 私の場合、このことをよく知らないままヘッドを取り外してしまったので、後に、実際は間違っていなかったのだが、不安になって3度も外して確認するはめになった。
 O側は、ポンチマークがあっている時の状態では、ピストンは上支点になくて、カーボンの汚れ等を取り除くためピストンを動かす必要があるので、ヘッドを取り付ける際はV側のポンチマークで元の状態に戻してから行う。


ヘッドを外す

 ナットを外す専用工具



 ナットを外す専用工具(SST)が必要となってくるが、おそらくこのオーバーホールが終わったら使うことがない専用工具であるため、市販工具でやりたい。
 ナットは、17mmで一般工具サイズであるが、ヘッドとの隙間が狭くて通常のメガネレンチが入らない。

KTC AS801-17

ヘッドの隙間に入るように加工、この工具であればトルクレンチも使える。

 エンジンをフレームに載せたままの状態であるので、フレームが邪魔をしてレンチの振れ幅が小さく難儀する。特に4本中右上のナットは何度もレンチをひっくり返して対応、取り付ける際の締め付けもやりずらい。そもそも、エンジンを載せたままやろうとすることが邪道なのだろう。

ヘッドを抜く

もう、後戻りはできないぞ〜


 MHRが走り出してから40年以上、走行8万キロのヘッドは、固定ナットを緩めても簡単には動き出さない。ヘッドを引っ張りながらプラハンマーでショックを与えると徐々に抜けてきた。(固定ナットは、隙間が狭くてヘッドが少し抜けないと取れない)

8万キロの汚れ

走行距離からしたら当然なのかは分からない


ピストンは意外と綺麗?





ステムシールの交換

これが本来の目的(IN側)


作業台での作業は楽ちんです


IN側、EX側が混合しないように注意
(画像は無いけどシムは特に)


大丈夫なのか?


余りにも酷い状態に困惑



ヘッドのカーボンも酷くて


ガスケットは、切り出して経費節約


初めてのタコ棒


ステムシール、オイルシールを交換して完成


O・Vベベルのアイマークを合わせて結合


エンジンが始動することを確認してシーズン終了



年明け、V側ヘッドのOHにつづく・・・・・